2010年09月05日

IN LOVING MEMORY OF TOKI 



前回に続きまして、「ヘブンズ・ドア」について書きます。

この映画のオリジナル版というのがドイツ映画の中でも異色作でして、ハリウッド製アクション映画のプロットを踏襲し、爆発やカークラッシュ、銃の乱射といった小道具をふんだんに盛り込みつつも「絶対に人が死なない」そして「だけど主人公たちは絶対に死ぬ」という二つの条件を加えることでアメリカ映画が緊張感を生み出すために編み出したプロットや小道具を思いっきり緊張感のない笑えるシチュエーションに転換、そして主人公が最後まで生き抜いたことによって得られるカタルシスを最後に死なすことでしみじみとした感動に作り変えるという離れ業を行って世界的大ヒットを記録した奇跡の一作です。

日本でも公開当初は話題にならなかったもののその後じわじわと人気は高まり2ちゃんで専用スレができるほどに熱狂的な支持を集めるカルト映画となりました。(同様の現象を起こした映画は「イージーライダー」くらいしか僕はしりません)

現実の世界で「奇跡」を起こした本当に稀有な映画作品ということで「映画史上にその名を刻むオリジナルのご威光を受けてかリメイク作「ヘブンズドア」は(おそらく製作者の意向と関係なく)様々な奇跡を呼び起こしております。

話は逸れますが僕が何故小説とかでなく映画にハマるのかというと多くの人が多くの思いをもって共同作業で作られる映画というジャンルには何某か人間の思惑のおよばないところで奇跡が起こることがしばしばあるのです。
宗教入ったってこの奇跡にはなかなかお目にかかれないものでありますから1,800円払って映画館に足を運ぶのは僕にとっては決してわずらわしいことではないし、駄作に遭遇することも妥当なリスクなんですよ。こういう現象が10年に1度起きてくれればそれでいい。



んで、肝心の「ヘブンズドア」の奇跡の内容ですが

塩沢ときの追悼作品になっている

ということが一番かと思います。

塩沢さんといえばこうるさい高慢ちきおばさんの役をイメージする方が多いと思うのですが、wikiを参照するとこんな女優さんだったりします。

テレビや映画でもかなり奇抜な存在ですが私生活ではさらに奇抜というか、美貌と豊満な肉体を持ちつつ知的(イタリア語でオペラなんかをかなり上手に歌ったりもできました)で清楚でしかもエロいという男からしたら天使のような女性だった塩沢さんは、しかし癌という死の影と戦い続けた人生を送るのですね。

自由奔放な性生活という陽の面と闘病生活という陰の両面を長年渡り歩きながら女優をこなし続ける彼女が晩年よくやった「いやらしい高慢ちきおばさん」というキャラはおそらく性に奔放な自身を咎めつづけた世間の人たちに対するあてつけであり、「ほうら、(私を咎める)あなたたちなんかドラマの中では脇役でしかないのよ」と言いたかったのかも知れないですね。

そんな素敵な塩沢さんも2007年に3度目の闘病生活がやっと終わったと思った矢先4度目の癌によって他界されてしまいました。折しも世間は難病映画ブームが巻き起こっている矢先の出来事でした。

女優としての引き出しが広く、いろんな手段で観客を楽しましてくれて東宝とその系列会社のフジテレビに多大な貢献をなさった塩沢さんを同社は伝記映画作るなりして追悼するべきだとは僕は常々思っておりまして(同じ清楚で巨乳キャラの長澤まさみさん主演でお願いしたい)彼女の死とおそらく時を同じくして製作が開始されたこの「ヘブンズドア」は本当にいい追悼作品になったと思います。(主題歌を眼鏡の趣味が塩沢ライクなアンジェラ・アキが歌ってるし)

さて、次回は「ヘブンズドア」の内容についてちょっと解説してみたいと思いますがネタバレ全開ですので注意してくださいね。
posted by fabrice du monde chien at 22:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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