2011年12月26日

再び旅に出よう



奇跡の実写版「ワイルド7」を見てきました。

ワイルド7といいますと、70年代から根強いファンがたくさんいる漫画でして、時代は変わってもスリルとサスペンス満載のストーリーとアクションと人間ドラマこれが見事に絡み合って作られる作風は評価が揺るぎません。っていうかこれを超える作品というのが正直出てきてないんですよね。

そんな凄まじい作品を原作に持つワイルド7の実写化、監督に「海猿」(一回も見たことないです)の人を起用したりと不安だらけだったんですが、個人的な感想を書くと。

普通に見れるよ

まずアクションなんですが監督の力量は正直不安だらけだったけど今回は奮闘したと評価したい。

車や通行人の多い市内での無茶なチェイスという大昔のアメリカ映画でよくやっていて今ではあまり望めない(ハリウッドでも最近は高速道路ばっかだもんな)カーチェイスなんかを見事に再現してるし、いかにも漫画チックなラストのアクションも漫画のイメージ的でよかった。
ただ、今時のバイク乗りはマシンの性能向上に伴ってウイリーだのジャックナイフだのバーンアウトだのは普通にやっちゃうので、そいつらを黙らせるような「公道でやっちゃらめぇ!」なエクストリームなバイクテクニックを駆使したアクションを今度は期待したい。エクストリームな技をやれる奴らは大勢いるけど、それをど迫力に撮影するのって難しいでしょ。お金払って見に行く価値のある映像は必ず撮れるはず。

んで、次にストーリーね、

これは脚本家さんはよく考えたというかワイルド7の真髄を本当に理解してらっしゃって本当にうれしい。
ストーリーは原作みたいにどんでん返しの連続にするとわけわかんなくなってしまうみたいなんでいたってシンプルなんですけど ワイルド7の存在理由 がきっちり書かれてて「正義とは何ぞや?」みたいな問いかけを観る人に投げかけてる部分もあって、規制が多い今のご時世にあって非常に大胆なストーリーになってます。

そして人間ドラマなんですが

これはこの映画の最もこだわった部分なんでしょう。登場人物の内面を結構掘り下げて描くことで「アウトローなやつら」を観客に取っつきやすくする効果はもちろんですが、かつて原作者の望月先生がフランス映画「レオン」が冷酷な殺人マシーンの主人公レオンの内面を描いてたのを高く評価してたことがあったんですが、そういう方向性に近いんですね。

そして、40年以上に渡って多くの日本人(よく男の子向けと言われる漫画ですが女性のファンも多いです)を魅了してきたワイルド7の本質をこの人間ドラマの内向性によって 観る人が見つけ出すことができるようにしてるんですね。(すべての人ではないでしょうけど)

これほど長い間多くの人たちに愛されてきたワイルド7、彼らは実在はしないけどファンの心の中には彼らの存在を受け入れる部分があったので彼らを愛してきたんでしょう。

かつて私はワイルド7の漫画を読んで熱狂的なファンになり、古本屋をあさっては全巻を入手、それから次から次へと望月先生の作品を買い漁って終いには同じ望月マニアとお宝グッズ争奪戦を繰り広げるまでになってしまったほどのワイルド信者なんですが今にして思えばあのワイルド収集行脚は恐らく私の脳には「ワイルド領域」と呼ばれるアウトローを愛してやまない部分があってその部分を具現化してくれるワイルド7の面々を探す心の旅であったと思います。

さて、この映画で飛葉のモノローグやらユキの回想シーンやらで暗さを気にせずとてもじゃないが実際には近寄りがたいアウトロー(例え見た目が深田恭子でも人ごみで銃ぶっ放すような女はさすがに近寄りがたいよ)な人たちの内面を描いたのは観客の脳内ワイルド領域を刺激してワイルド7を知らない人にお話の大前提を理解してもらい、ワイルド7を知る人たちには再び心の旅に出てもらおうということなんだと思います。(まぁ結局結論は全て観客に丸投げな)

「あなたが望むなら私はどこにでもいます」と言ったのはイエス・キリストだったかどうか忘れたけど、ともかくこの映画版「ワイルド7」はワイルド7を探す旅の一駅にしか過ぎません。が、一駅は一駅なんです。「原作と違う云々」言う人もいるけど私は言いたい。

あなたが本当にワイルド7を望むならこの映画の中にワイルド7は必ずいる

posted by fabrice du monde chien at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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